愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
結婚…龍司と…結婚…
和弥の口から何気なく発せられたその言葉に動揺し、今度は私の足が止まった。
確かに和弥は言ってくれた。私の事を忘れていないと…なのに、どうしてそんなに平然と私と龍司の結婚の話しが出来るの?
私がどんなに和弥の事が好きか、あなたは分かっているはずなのに…
立ち止まった私に気付く事なく歩みを進める和弥の背中に問い掛ける。
「ねぇ、和弥…私は、どうしたらいいの?」
アパートの階段を上り始めた和弥が後ろを振り返り、やっと私が居ないことに気付いて視線をこちらに向けた。
「真央ー!どうしたー?」
「私…帰る…」
「えっ?」
気付くと今来た道を夢中で走っていた。
和弥の気持ちが分からない…
昨夜の和弥の言葉が本当に夢だった様な気がして頭が混乱する。
マンションの部屋に戻り扉を閉めたとたん、言いようのない悲しさと、どうしようもない切なさで、その場に座り込み声を上げて泣いていた。
「和弥… 和弥…」
瞳の奥から絶え間なく湧き上がってくる涙を拭うのも忘れ、彼の名前を呼び続ける。
どのくらい泣いていたんだろう…泣き過ぎて頭がボーッとしてる。虚ろな眼でぼんやり宙を眺めていると、突然部屋の電話が鳴り出した。