愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

私は首を傾げ「さぁ…」と答える。


「給料が良かったから…そう言いやがったんだ。桜井の奴」


和弥らしくない…そう思った。


「よくよく話しを聞いてみたら、桜井の妹が重い腎臓病で、おまけに料理人だった父親が脳梗塞で倒れて仕事が出来なくなったらしくてな。

それでアイツが家族を支えていく事になり、専門学校も辞めて少しでも多く金の貰える仕事をしたいって、なんでもするから雇って欲しい。そう言って必死だったよ…」


知らなかった…妹さんの事は和弥から聞いてたけど、お父さんまで病気だったなんて…


「他の重役達は話しにならないと笑っていたが、俺はアイツが欲しいと思った。なんの苦労も無く大学で遊んできた奴より、よっぽど戦力になると思ったから俺の一存で採用を決めた」


「…そう…だったの…」


まとわりつくタバコの煙を気にしながら龍司は続ける。


「俺が思った通り、桜井は良くやってくれた。いや…期待以上に仕事をしてくれた。だから俺は、こっちに転勤する時、桜井を連れて来たいと思ったんだよ。でも…」

「でも…?」

「でもアイツは、俺の誘いを断ってきた」

「えっ…どうして?」

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