愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】
和弥と再会する前の私だったら、きっと、嬉しくて飛び上がって喜んでいただろう。
でも、今の私は、まるで手足を縛られ身動き出来ない囚われの身の様な気分。ジリジリと真綿で首を絞められているみたいな息苦しさを感じた。
その時…
トントン…
扉がノックされ、さっきの"三浦"という女性がお茶を運んできた。慣れた手つきで私達の前にお茶を置くと一礼して部屋を出て行こうとする。
「あっ!三浦君、桜井はまだ、そこに居る?」
龍司の声に顔を上げた女性はニッコリ笑い「はい」と答えた。
「じゃあ、少し待ってるよう言っといてくれ」
「はい。分かりました」
揺れる黒髪と妖艶な切れ長の瞳が私の視界から消えた時、私はハッとした…
あっ…そうだ…和弥と龍司と3人で中華料理を食べに行った時、龍司が言ってた"秘書課の三浦"という名前…和弥の彼女じゃないかと龍司が言ってた人…
じゃあ、あの人が和弥の彼女…?
落ち着いてなんか居られなかった。龍司の話しも耳に入らず上の空で何を話したのかも覚えていない。
「真央、悪いがそろそろ時間だ…これから社長とクライアントを交えて食事会なんだ…」
「はい。私の事は気にしないで」
立ち上がり社長に挨拶を済ませた私の腰に龍司が手をまわし、部屋の扉を開けると…
あ…
そこには、笑顔で楽しそうに話す和弥とあの三浦さんの姿があった…