同期が急に変わったら…。〜将生side〜



いずみのそばまで近づき、




『いずみ。』

『なに?すぐ持ってくるよ?』

『貰いに来た。』

『まだ沸いてないよ?』




ニッコリ、

笑顔が可愛い。




こいつの笑顔にいつもやられる。







『お前を貰いに来たよ。』


『ええっ?』


『いずみ、結婚しようか?』


『………。』


『結婚するぞ。』


『………。本気なの?』


『本気。お前を貰いに来た。』


『………。』


『無視はやめろ。』


『だって……。
コーヒー貰いに来た、
みたいに言うから………。』


『ハハっ。そうだな。
いずみ、結婚しようか?』


『………はい。』


『よし。決まり。』


『…………将生ぃ。』






いずみは

飛びつくように、

ガバっと腕を回して

俺に抱きついてきた。






そんないずみを

がっしりと両腕で受け止めて、





『ずっとそばに居てくれるか?』





そう言って、強く抱きしめた。





『居る。ずっとそばに居る。』

『一生だぞ?』

『当たり前だ!』

『………お前、俺の真似してんのか?』

『わかる?』

『………似てない。』




ったく。

何ふざけてんだ?

今、プロポーズしたんだけど?





いずみへのプロポーズ。

……ムードもくそもなかった。

まあ。

俺達らしいか。




本当は、

色んなプロポーズの方法を考えた。

夜景の綺麗な場所、

オシャレなレストラン、

一流ホテル。




花束を用意して……。




どれもベタすぎて、

ピンとこなかった。




俺らしく、

俺達らしく。




俺といずみが

いつも飲んでいたコーヒーと

ペアのマグカップを

相棒にして。



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