同期が急に変わったら…。〜将生side〜



『おはよう。』





朝の営業1課のオフィス。

部下達が仕事を始めている。






チラッと俺を見たいずみ。

『おはようございまーす。』

と言いながら、仕事を続けている。







いずみのデスクを通りすぎ、

自分のデスクにつく。







明日から、出張で福岡だ。






東亜の書類を

仕上げなければいけない。





今週、いずみに行かせるか。

専務のセクハラが心配だが、

いずみを行かせるのが、ベストだ。






俺は、今日も忙しい。

俺の不在の間の為の仕事が

たっぷりある。





昼飯抜きか。






午前中、喫煙もせずに仕事をした。








昼休みに入り

オフィスは閑散としていた。





が、いずみはまだ仕事をしていた。






仕事に集中するのはいいが

昼飯くらいは行けよ。

声、かけてやるか。





『桐谷。』






俺に呼ばれたいずみは、

パソコンから顔を上げて

オフィスをさっと見渡した。





オフィスには俺といずみだけ。

いずみは座ったまま返事をする。





『はい。』

『早く飯行ってこい。』

『課長は、行かれないんですか?』

『ああ。後でな。』




ふと、

土曜日のヘロヘロのいずみを思い出し

温かいものが込み上げる。

心が穏やかになる。






こんな感覚はあまり経験がないが、

この感覚を味わっていたいと思った。




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