同期が急に変わったら…。〜将生side〜
朝、出勤途中。
『よう。将生。』
『おう。隆也、おはよう。』
会社までの道のりで
同期の隆也と一緒になった。
『彼女とうまくいってるか?』
朝から人の顔を見て
初めに聞くのがこれか?
『……別れた。』
『はあ?またかよ?』
『悪りぃかよ?』
『いや?』
何か言いたそうな隆也。
うっすらニヤついている。
『なんだよ?』
『なんで別れた?』
『さあな。』
『なんだよ、言えよ。』
朝からしつこいな。
隆也は同期で信頼する友人。
隆也の嫁は、同期の恵梨香。
で、いずみの親友。
以前は、この4人でよく飲みに行った。
『将生。昼飯、一緒に食うか?』
『おう、そうだな。蕎麦行くか?』
『ああ。蕎麦だな。いいね。』
『じゃあな。』
昼休み。
会社近くの蕎麦屋。
『で、話してみろよ。』
『何を?』
『別れた理由。』
『あー、会う時間がなかった。』
隆也に本音を言ったら
こいつはなんて言うだろう。
『それだけじゃないだろ?
じゃあ、なんで別れたくなった?』
『まあ、色々とな。』
『ふっ。いずみだろ?』
『………。』
隆也。
直球すぎる。
……。
『当たりだな。図星だろ?』
隆也は、嬉しそうに
ニヤニヤしてやがる。
俺は、隆也を無視しながら、
ズズッと蕎麦を食べた。
『………。』
『いいから、言ってみろよ。』
今日はなぜかしつこい隆也。
まあ、隆也なら話しても大丈夫か。
言わなきゃ、
どうせ、ずっと聞いてきそうだ。
『女がいたら、
いずみが俺と飯に行かなくなる。』
『うハハハっ。いずみが、ね。
で、別れたわけか。』
隆也は、
楽しくて仕方ない、という顔をして
声を上げて笑っている。
なんだよ。
『……まあな。』
『惚れてんのか?』
『さあな。まあ、あいつといると楽。』
『それだけか?』
『いずみとどうこうなる気はない。
今のままでいいだろ。』
『それでいいのか?』
『このままがいんだよ。』
『ふうん、そうか?』
蕎麦を食いながら
隆也にそんな話をした。
隆也は、
ニヤつきながらも、
それ以上、しつこくは言わなかった。