儚語り
春の日の夢現。



桜の花びらがはらはら舞う中で、少年は少女にある者の面影をみた。



桜の花びらがはらはら舞い散る中たたずむ里霞に、ある者の面影を重ねながら、鬼火は懐かしい名を口にした。






「初音(ハツネ)……」






もう、口にする事もないと思った君の名を。






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