甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
乗ってみて驚いたのは……。


意外にも和菓子職人……改め、サトルさんの運転はとても
安全運転だった。


「お前さ、俺が安全運転な事に露骨に驚いてるだろ?」


けげっ、思ってることがバレてる。


「お前さ、気を付けろよ。大体、顔に出すぎなんだよ。」


「マジで?」


って、運転するサトルさんの方を向くと、眼鏡をかけて運転していた。


「眼鏡?いつの間に?」


「ああ、これ?運転する時ぐらいかなぁ?普段はこれといって困らねぇんだけど、運転する時だけ一応な。念のためにな。」


「ふうん。」


結構、真面目なんだ。なんて思っていると、信号待ちで止まった時に


「なに、眼鏡姿にキュンてきた?なんてな。」


って、すごく近い距離で言われた。












きた。


ええ、キュンって


いや、キュウ~ンってきましたよ。


でも、絶対言わないんだからっ!


「おい、もうすぐ着くぞ。」


スーっと車が入っていったところは普通の民家の駐車場だった。


「ここ?」


やっぱり、ちょっと不安なんですけど……。


だっていきなり家?


「だから、お前の頭、どうなってんの?ったく。ほら、さっさと降りてついてこい。」


不信感を抱きながらも、後をついていく。


そして、玄関を開けると中はーーー


やっぱり普通の家でーーー


「靴、ここで脱いで」


と、言われて慌てて私も靴を脱ぎついて行くと、


広めのリビングにはいつくかテーブルがあって、お客さんらしき人達が何やら食べていた。


「ここって?」


「ここ?隠れ家風レストランとでも言うのか?なあ?ユズ?」


「いらっしゃい。まぁ、珍しい。サトルがこんな可愛い女の子連れてるなんて。あんたいっつも女豹みたいなのばかり連れて歩いているじゃない?」


「確かに女豹な。ユズ、ウケる。」


め、女豹って。


「さあ、可愛い子ちゃんにはどんなお料理出してあげましょうかしら。」


そういって、″ユズ″って呼ばれてた綺麗な女の人は調理場のある奥へと行った。


「ここ座るか?」


「う、うん……。」


「なに、緊張してんの?」


「べ、別に。」


「まぁ、楽しみにしてなって、ユズの作る料理は最高だから。」


へぇ……。そんな優しい顔するんだ。


私にはめちゃくちゃ口悪いのに。


ユズさんとサトルさんて一体、どういう…


っゆーか、


「話って何なんですか?」









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