甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
ち、ち、近いって。
今日は店内が混んでいて
店の一番奥にあるカウンターのように
外に向けて置かれたテーブルに横並びで
座っている。


そのせいで、
距離が半端なくち、ち、……


「近いで……す……。」


「近いって……ああ、距離な。
お前、ほんっと免疫ないのな。
こりゃ、俺好みに調教してやるのが
楽しみだわ。はっはっはっ」


「ちょ、ちょ、調教とか
言わないでっ!」


「照れんなって。
さすがの俺も無理矢理ってことは
なるべくしねぇよ。心配すんなって。」


いや、そのなるべくって
言ってる時点で
心配なんですけどーーーー


「兎に角、食べろって。
なっ?俺も今日は忙しくて
昼抜きだからな腹減ったわ。
いただきまーす!」


っで、
結局、答え聞いてない……。
これって
はぐらかされた?
やっぱりこの二人なんかあるのかな?


んーーーー、
妙に気になる。



これって……
ヤキモチ?







まさかぁ~
ないない。
二人がくっつけば
私もこんなややこしいことに
巻き込まれなくて済むんだし、
そうとなるとユズさんも巻き込んで……


んーーー、
考えるの止めた!


兎に角、今は食べよっ。
考えるのは後回しだ。
だって、
こんなに美味しそうなご馳走が
目の前にあるんだもん。


「いただきまーす!」


お吸い物のお椀の蓋を開け
一口大の海老しんじょうを
口の中に入れた。


「んん~美味しいっ!」








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