甘いのくださいっ!*香澄編追加しました*
坂下さんの両手が私の頬を
優しく包み込む。


「えっ……あの……。」


「しっ、黙って胡桃ちゃん……。
目、閉じてよ……。」


えっ、えっ、
かかかか、顔が……
このまま……キス……?


う、そ……でしょ?


どうしよ、どうしよぉ~
このまま、流されちゃっても
いいの、私?


目閉じれば、ほぼOKも同然なんだよ!
考えがまとまらないよ。


テンパっているうちにも
坂下さんの顔がどんどん
迫ってくる。


ええいっ!
ここまで来たらどうにでも
なっちゃえっ!















ムニュッ……









「くる△×○★…………?」


坂下さんが何を言っているのか
よく、分からない。


それもそうだよね。
坂下さんの口にはテーブルの上に
置かれていた小さめのクルミパンが
突っ込まれているから……。


そう、私がそのパンを
坂下さんの口に押し込んだ
張本人だ。

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