幸せの天秤
店から出て、とぼとぼと歩く。

季節は10月で、夜は少し肌寒い。

マリアが言った「祐太くんはいいの?」、その言葉が胸に刺さる。

あおと別れたのは、子供のことがあったから。

祐太くんにだって話してない。

あたしが子供が産めないこと、、、。

別にまだ、結婚すると決まったわけじゃなのに、祐太くんに言う必要があるのだろうか。

祐太くんだって、まだ若いし、、、。

そんなことを話されたって、きっと迷惑だ。



あたしはどうすればいいのかわからない。

ただ、こんな時は1人で居たくなくて、気付いたら祐太くんの家に来てしまった。


あたしは、祐太くんに電話をする。

寝てるかもしれない。

祐太くんの部屋の明かりは消えていて、それがあたしをまた心細くする。

電話をしたところ、祐太くんと話せるわけじゃない。

ただ、気付いて欲しかった、、、。



あたしは諦めて電話を切る。


諦めて帰ろう、、、。


来た道を戻ろうとしたら、ドアが開く音がした。

振り向くと、スエット姿の祐太くんが居る。



[ビックリした]

なんて言いながら、笑顔で迎えてくれる祐太くん。


あたしは祐太くんに抱きつく。

祐太くんは何も聞かずに、優しく包み込んでくれる。




[ここじゃなんだから]



祐太くんの言葉で部屋に行き、ホットコーヒーを入れてくれた。


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