チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
…バイブの音で目が覚めた。ベッドに横たわったまま、いつの間にか眠っていた。
寝ぼけ眼で携帯を取る。
「…あい。」
『やっぱり寝てた』
はっきりしない頭で、あぁマモルだと思った。そういえばさっき、バイブと一緒に銀河鉄道の夜も流れてた気がする。
「…今起きた。何時?」
『一時。学校行かないの?』
ん~、と間延びした返事をし、カーテンを開けた。太陽が高い。かなり晴天だ。
「…行こうかな。せっかくマモルが起こしてくれたし」
『はは。えらいえらい』
冗談めかしたマモルの言葉に笑いながら、ようやく目が覚めてきた。
『じゃあ準備して、しっかり勉強してきて下さい』
「あい。…って言っても、寝てそうだけどね」
『まぁそこは俺も偉そうなこと言えないかな』
ダメじゃんと二人で笑い、また少しだけ話して電話を切った。
んっと背伸びをし、体を覚まさせる。
「…よしっ」と小さく呟いて、シャワーを浴びる為に一階に降りた。
階段を降りながら、結構最近は学校に行ってるなと思う。
それも全部、マモルのおかげだったけど。