チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
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学校に着いたのは3時前。遅刻なんていつもの事だから、もう先生も何も言わなかった。
そうやって少しずつ見放されていくことが、寂しくないと言ったら嘘になる。
「はよー亜弥。って、もう昼だけどねっ」
いつも元気な知恵が、あたしを見つけて駆け寄ってきた。髪の色が変わってる。
「いいじゃん、色」と髪を撫でると、嬉しそうに「春樹にやってもらっちゃった」と言った。
春樹と知恵は、一年の時から付き合っている。春樹が知恵に一目惚れして、猛アタックの末にめでたくカップルになった。
二人を見るといつも思う。
幸せそうな、絵に描いた様な高校生カップル。
出来ることならあたしも、そんな幸せな恋がしたかった。
虚しくなる様な恋じゃなくて、笑顔になれる様な恋が。
でも結局あたしは佐倉さんが好きで、それはどう足掻いても変わらなくって、だからその願いは叶うことはなくって。
そんな事を思うと、いつもは必ず沈んでた。でも最近はそんなに落ち込まない。
それも多分、マモルのおかげだった。