チェリー~君が呼ぶ、あたしの名前~
夜の街を歩く。
朝の東京は好きだった。その反動の様に、夜の東京は嫌いだった。
友達といる時は気にならない。ただ、1人で夜の街をさ迷うと、決まって孤独に襲われるのだ。
寂しい。
ふいにカバンが揺れた。バイブの振動だ。
急いで取り出して、思わず通話ボタンを押す。
「はい」
『サクラちゃん?』
"サクラちゃん"。そうあたしを呼ぶ人達は、もう決まってる。
『俺、高藤』
「あ…お久しぶりですね」
『突然だけどさ、今から暇かな?』
「…大丈夫ですよ。いつものホテルですか?」
『そ。近くの駐車場に車止めてるから、来たらまた連絡して』
高藤さんは、あたしの二人目の『お客さん』だった。最近ご無沙汰だったから、もう連絡はないと思ってたのに。
携帯を切って、溜め息をついた。
バカだ、あたしは。
一瞬、佐倉さんからだと期待した。
期待したからこそ、高藤さんだったことに対してのショックが大きくて。
でもよかった。
それでもよかったから、1人でいたくない。
誰か一緒にいてくれれば、それでよかった。
朝の東京は好きだった。その反動の様に、夜の東京は嫌いだった。
友達といる時は気にならない。ただ、1人で夜の街をさ迷うと、決まって孤独に襲われるのだ。
寂しい。
ふいにカバンが揺れた。バイブの振動だ。
急いで取り出して、思わず通話ボタンを押す。
「はい」
『サクラちゃん?』
"サクラちゃん"。そうあたしを呼ぶ人達は、もう決まってる。
『俺、高藤』
「あ…お久しぶりですね」
『突然だけどさ、今から暇かな?』
「…大丈夫ですよ。いつものホテルですか?」
『そ。近くの駐車場に車止めてるから、来たらまた連絡して』
高藤さんは、あたしの二人目の『お客さん』だった。最近ご無沙汰だったから、もう連絡はないと思ってたのに。
携帯を切って、溜め息をついた。
バカだ、あたしは。
一瞬、佐倉さんからだと期待した。
期待したからこそ、高藤さんだったことに対してのショックが大きくて。
でもよかった。
それでもよかったから、1人でいたくない。
誰か一緒にいてくれれば、それでよかった。