【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
***
あの日から数日が経った。
私はそれから幾度となく
咲輝翔さんの元妻の弟だと名乗った
甲田静一と言う男性から
社内メールを通して
『氷室咲輝翔さんと別れろ』
と送られてきたり
誹謗中傷されるようにもなった。
消しても消しても
送られてくるメール。
会社のメールでは着信拒否出来ない。
何度も彼に相談しようかと思いながらも
『復縁』、『捨てられる』
『遊ばれている』、『悪あがき』など
たくさんの言葉が頭をよぎり
口に出来なかった。
それに彼に迷惑をかけると
この秘密の交際も
バレてしまうかもしれない。
恐くて堪らなかった。
メールだけでなかった。
家に帰ると
宛先も名前も書いてないけど
私への誹謗中傷や
脅迫に近い内容を
パソコンで入力されて印刷されたと
思われる文章が同封されている封筒が
ポストに入っていたりもした。
…恐い…誰なの?
あの男性?
でも、関西にいるはずのあの男性が
わざわざこの場所を突き止めて
入れに来るはずはない。
しかも、なぜ
私のアパートを知っているの?
誰か他にあの男性に協力して
私に嫌がらせをしてくる人がいるの?
…目に見えない恐怖。
誰なのかわからない恐怖と不安。
私は恐かった。
追い詰められてきていた。
あの男性が
『嫌がらせくらい簡単』
『嫌がらせに怯えてろ』
『別れないのなら追い詰めてやる』
と、私に言い放った事が
ぐるぐると頭の中を回って行く。
仕事では平静を装いながらも
誰にも言えず、彼にもごまかし続けた。
『…何かあれば必ず言えよ。』
割り切れない表情を浮かべた
彼は私を抱き締めてくれたけど
いつもなら安心出来る温もりなのに
心の中では震えていた。
やがて、心の花達も
いつまた摘み取られるかわからない
不安に揺れ始めていた。
明るかった光を遮るように
序々に薄暗い雲が塞ぎ始めていた。
あの日から数日が経った。
私はそれから幾度となく
咲輝翔さんの元妻の弟だと名乗った
甲田静一と言う男性から
社内メールを通して
『氷室咲輝翔さんと別れろ』
と送られてきたり
誹謗中傷されるようにもなった。
消しても消しても
送られてくるメール。
会社のメールでは着信拒否出来ない。
何度も彼に相談しようかと思いながらも
『復縁』、『捨てられる』
『遊ばれている』、『悪あがき』など
たくさんの言葉が頭をよぎり
口に出来なかった。
それに彼に迷惑をかけると
この秘密の交際も
バレてしまうかもしれない。
恐くて堪らなかった。
メールだけでなかった。
家に帰ると
宛先も名前も書いてないけど
私への誹謗中傷や
脅迫に近い内容を
パソコンで入力されて印刷されたと
思われる文章が同封されている封筒が
ポストに入っていたりもした。
…恐い…誰なの?
あの男性?
でも、関西にいるはずのあの男性が
わざわざこの場所を突き止めて
入れに来るはずはない。
しかも、なぜ
私のアパートを知っているの?
誰か他にあの男性に協力して
私に嫌がらせをしてくる人がいるの?
…目に見えない恐怖。
誰なのかわからない恐怖と不安。
私は恐かった。
追い詰められてきていた。
あの男性が
『嫌がらせくらい簡単』
『嫌がらせに怯えてろ』
『別れないのなら追い詰めてやる』
と、私に言い放った事が
ぐるぐると頭の中を回って行く。
仕事では平静を装いながらも
誰にも言えず、彼にもごまかし続けた。
『…何かあれば必ず言えよ。』
割り切れない表情を浮かべた
彼は私を抱き締めてくれたけど
いつもなら安心出来る温もりなのに
心の中では震えていた。
やがて、心の花達も
いつまた摘み取られるかわからない
不安に揺れ始めていた。
明るかった光を遮るように
序々に薄暗い雲が塞ぎ始めていた。