【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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野村羽美花さんへ


あなたには呆れます。

これだけあなたに毎日

わざと嫌がらせしているのに

わざと誹謗中傷の手紙を

ポストに入れて来たのに

おそらくまだあなたは頑固にも

別れて頂けてはいないと思うので

仕方なく約束通り追い詰めます。


先日、姉があの方に会ったそうです。

話し合った結果

復縁する事が決まったと言う事です。

よって、あなたは完全に近々

用なし扱いになる事が決定になります。

間もなく、お別れを

切り出されるはずですから

それまでに速やかに別れて頂ける事を

お勧め致します。

あなたは所詮遊ばれていただけです。

いい加減目を覚まして下さい。

あなたではあの方と結婚なんて

絶対無理なのは最初からわかってます。

あの方は、あなたと

結婚なんてしませんよ。

あの方は俺の姉が好きなのですから。

俺の姉と復縁したくて

堪らないのですから。


結婚出来なくて残念でしたね。

でも、あなたも

イケメン男性に出会えて

偽りの愛の言葉を貰えて

さぞかし満足だったんじゃないですか。

あの方も若いあなたのカラダを、

食い潰してさぞかし満足でしょう。

では、せいぜい

お別れの言葉でも考えておくんですね。


それでも別れないと言うのなら

…覚悟しておいて下さい。



********


気にしないと思っていたのに

花菜子に相談する前から

再び動揺と恐怖感に襲われた。

「…うーちゃん大丈夫?
真っ青だけど?」

麻美先輩に声をかけられて

“ハッ”とした私は慌てて

「…なっ、何でもないです!!」

と手を左右に振ると

急いで仕事モードにとりかかったけど

集中出来ずにいた。



助けて…。

心の花々がSOSを出している。

ねえ…どうして?

どうして私は

こんなに追い詰められているの?

もうこれ以上

傷つきたくないのに…。

今度こそ私は

咲輝翔さんと幸せになれる。

…そう思っていたのに。

愛を阻む他人からの嫌がらせに

私の足元はぐらついて揺れていた。

追い詰められて、不安に怯えて

大好きなあの人に心を開けずに

傷ついた羽根を抱き締めて

一人で膝を抱えて震えていた。

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