【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
静花にも戸叶の欠席を伝えたところ

彼女は一瞬、その名前に驚いた。

「…招待状出してたんだ…」

と言いながら。

そして、欠席を残念がっていたが

「仕方ないね…。
元カノの結婚式は行けないのかもね。
周囲の目もあるもんね…。」

と寂しく笑った顔に

未練があるのか?とも思ったが

確かに

『彼女の元彼だから

遠慮したのではないか?』と言う

静花の言う事も一理ある。

俺もそう解釈して

その話はそれで解決された。

でも、そう思っていたのは

俺だけだったのかもしれない。


*********


そして12月になり

俺は静花と結婚式を挙げた。

純白のウエディングドレスに

身を包んだ彼女は

本当に花のように美しかった。

大学時代から

彼女を想い続けた年月が花開くように

今この瞬間……報われた。


讃美歌が流れる神聖なチャペルで

永遠の愛を誓い

指輪を交換して

彼女のヴェールをあげた俺は

そのピンクの唇にそっとキスをした。

「綺麗だよ。」

そっと耳元で囁くと

彼女は優しく微笑みを浮かべた。


室内の赤絨毯の階段を降りながら

フラワーシャワーの歓声を浴び

たくさんの祝福の中で

天にも昇るような幸せを手に入れた。


「…幸せにするよ。」

彼女にそっと囁くと

少し驚いた顔をしながらも

「…ありがとう…よろしくね。」

やがて照れながら

笑顔を浮かべてくれた。


この愛は永遠に咲き誇る…。



俺はそう信じていた。


彼女もきっとそのはずだと…。


しかし、既にこの時から

暗闇に突き落とされる

傷心へのカウントダウンが

始まっているとは夢にも思わず

俺はこの幸せを願っていた。



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