【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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終焉は既に忍び寄っていた。

12月21日。

結婚してちょうど1年が経ち

2人で迎えた初めての結婚記念日から

数日後の事だった。


俺はA社とSコーポレーションへ

計3泊4日の出張へ出かけていた。

4日目最終のこの日は

Sコーポ営業部での打ち合わせや

午後は研修に出席していた。


しかし、この日の俺は

朝から落ち着かなかった。

いや、落ち着けなかった。



なぜなら…。

昨夜から静花に何度電話をしても

『お客様のおかけになった電話は…。』

のアナウンスばかりが流れ

今だに彼女に繋がらないからだ。


明らかにおかしい…。

今までこんな事はなかったのに…。

どうしてだ?

どうして繋がらないんだ?

集中出来ない自分がいた。


昼休みになっても

やはり電話が繋がらない。


「…サキ兄、何を苛立ってるんだ?」

昔からの付き合いがある

Sコーポ企画デザイン開発部

主任(当時)の藤堂貴晶に

声をかけられるが

「…ちょっとな。」

と、それ以上は答えなかった。


場所を離れて一人になると

以前聞いておいた

彼女の勤務先のデパートの

バイヤー部門直通の番号に

電話をかけた。

出てくれたのは

彼女が以前話題にしていた

今バイヤーのイロハを教えて

鍛えさせていると言う

新人の女性社員だった。

静花は出張中かどうかを聞き

事務所にいるなら代わって欲しいと

伝えたところ


『…えっ!?
甲田リーダーですか?
あの…甲田リーダーでしたら
12月10日付をもちまして
退職されましたけど…。』

と、耳を疑うような

信じられない事を聞かされた。
















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