【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
******

俺は翌日会社を休み

彼女の手がかり探しに奔走した。


まずは戸叶の会社に電話した。

しかし

『戸叶肇でしたら
今年の夏に退職しました。』

電話に出た男性社員からそう言われた。

その社員は、戸叶の結婚式に来ていて

プライベートでも仲が良いと聞いていた

先輩社員だった。

結婚式で話をしていた事もあり

向こうも俺を覚えていてくれた。

先輩社員は場所を変えて

戸叶の話を聞かせてくれた。

それを聞いた俺は

やはり愕然とさせられた。


…戸叶は御令嬢と離婚していた。

昨年6月に結婚したが

夫婦仲は上手くいっていなかった。

友人の予想通りだった…。

御令嬢は戸叶を愛していたが

戸叶は僅か半年で結婚生活に限界を感じ

離婚を申し出ていた。

しかし、御令嬢は頑なに拒否した為

冷却期間として、戸叶は単身赴任で

京都にある子会社への出向を志願して

事実上の別居をしていた。

その間も御令嬢の父親も交えての

話し合いもあったらしいが

平行線のままで、解決していなかった。

しかし、年を明けて春を過ぎて

夏に差し掛かろうとする時期になっても

戸叶の離婚の意志は固く

御令嬢の父親も泥沼化によって

会社のイメージが悪くなる事や

御令嬢がまだ23歳である事を考え

次の人生を歩む事を説得させた結果

最終的に御令嬢も離婚に応じたらしい。

慰謝料の代わりに

勤務先も子会社も退職した戸叶は

知り合いからの誘いで

別の会社に再就職したらしいが

それ以上の事はわからないと

言う事だった。




…戸叶が離婚していた。


しかも、夏に…。

静花の退職の相談の時期と

ほぼ合っている。

と、言う事はまさか…。




…戸叶…お前はどこにいるんだ!?

静花…どこにいるんだ!?

今2人は一緒なのか!?


頭の中から全身まで動揺が広がった。







< 282 / 320 >

この作品をシェア

pagetop