【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
「…はっ!?」

何を言ってるの?…この人。

首を横に振りながら一歩後ずさった。

すると亜美が横から

「…はっ?平木君、何言ってんの!?
羽美花は“婚約目前の彼”がいるのよ!
…そんな誘い
行かないに決まってるでしょ!?
酔っ払った勢いで口説くなんて
みっともないじゃない!!
羽美花嫌がってるし、やめなよ!!
もういいでしょ?」

そう助け舟を出してくれて

私を花菜子の元へと促してくれたけど

「…まぁ、待てよ!
俺は下里じゃなくて
野村さんに用があるんだよ!!」

そう言って私の右肘を掴んできた。

“ビクッ”と嫌悪感と悪寒が走る。

アルコールのせいか

平木君の顔はやや赤く

微かなアルコール臭も感じた。

「…なぁ、野村さん。
“友達”としてならいいだろ?
俺は、君と話してみたかったんだよ。」

振り払おうとしても

男性の力には叶わなくて

私の中にはますます嫌悪感が走る。


「…やめなさいよ!!」

亜美が平木君の服を掴んで

離そうとしてくれるけど

本人は離れてくれず、近づこうとする。

周囲がざわつき始め

「…おい、やめないか!平木!」

菊田課長がこちらに向かい始めた。

体が震えてきた私は俯いて

“助けて…咲輝翔さん。”

そう思いながらキュッと目を瞑った。



その時、亜美が私の背後を見て

「あっ!!」

と、大きな声を出した。


その声に

私を掴んだ平木君の手が一瞬緩んだ。

その瞬間

“フワッ”と背後から

誰かの腕が私のお腹にまわった。

その人は

「…羽美花。」と

耳元で優しく囁くと

…“グイッ”っと平木君から

私を無理やり引き剥がした。

「…あっ。」

「…キャッ!」

引き剥がされた平木君が声を出し

私も咄嗟に声が出た。


そのまま引き寄せられた私は

お腹にまわったもう片方の腕によって

…“ギュッ”っと

背後から強く抱き締められた。
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