【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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ー4年前ー

それは、梅雨が明け

うだるような猛暑が始まりを告げた

7月下旬の事だった。

20歳になって3ヶ月が経ち

短大の講義の合間にアルバイト。

そして、就職活動真っ最中だった私。

この日は第一希望の大手企業

Sコーポレーションの

企業説明&採用試験説明会へ

14時から参加する為に

同じ高校、短大に通う友人の

山谷花菜子(やまたに・かなこ)と

一緒に早めの昼食を取り

地下鉄と電車を乗り継いで

最寄り駅になるB駅に着いた。

しかし、緊張感を抱え

前日のアルバイトの疲労感

外と中の気温差

履き慣れてないパンプスに

カラダのリズムが狂った私は

駅に着き、改札口を出た途端に

立ちくらみをおこして

その場にしゃがみ込んでしまった。

「羽美ちゃん!大丈夫!?」

心配そうに見つめながら

ミネラルウォーターを代わりに

買ってくれた花菜子に悪いと思い

「先に行ってくれていいよ。
気分良くなったら追いつくから。」

と言ってみても

「置いてくワケないじゃない!
でも…ここから歩いて
15分はかかるって書いてるし
今の羽美ちゃんは歩くの辛そうだから
タクシーで行こうか?
ほら、立てる?」

そう言って

私を立たせようとしてくれたけど

足に上手くチカラが入らないでいた。











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