【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
その男性は

頭を下げたままの私の前で止まると

「………こんにちは。」

と、挨拶を返してくれた。

しかし、男性は

止まったまま動く気配がなく

私も下げたままの頭を

あげていいのかわからない。

すると、頭上から

「……久しぶりだな。」

と優しい声がした。

……この声。

何となくながらも聞き覚えがある。

私はガバッと頭をあげた。

「……あっ!!」

思わず声を出した私に

「…覚えていてくれたんだな。
俺も向こうから歩いてくる君を見て
すぐわかったよ。
あれから、カラダは平気か?」

男性は私に口角をあげて微笑んだ。

間違いない!!

あの時の男性だ!!

言わなくちゃ!あの時のお礼を。

私は気を引き締めると

「…あの時は助けて頂いて
本当にありがとうございました。
わざわざ会社まで送って頂いて
本当に助かりました。
おかげ様で
無事に研修会を受けられましたし
Sコーポレーションの内定を
頂く事が出来ました。

…本当はあの時にきちんと
お礼を言うべきだったんですが
私も友人もタイミングを逃して
お名前も、会社も聞けなかったまま
今になってしまって…。

…お礼を言うのが
遅くなってすいませんでした!
あの時は本当に
ありがとうございました。」

私は感謝を込めて

もう一度頭を下げてお礼を言った。

< 36 / 320 >

この作品をシェア

pagetop