【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
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昼休みの花菜子との話から
数時間経っているけど
複雑な気持ちを抱えたまま
私はこうして満君と向かい合っていた。
満君は厳重注意された事を
私が既に知っていると
わかっていたけど
豊島さんと2人で食事になった経緯を
もう一度説明したうえで
「…羽美花……。
今回の事は本当に俺が悪い。
説明が足りなかったし
本当に軽率だった。
噂の事を含めて
豊島の事で不安にさせて反省している。
本当にごめん。」
と、もう一度私に頭を下げた。
「…………折角だから
たまご…一口食べさせて。」
気持ちを整理するかのように
話の途中で店員が運んできた
出し巻き卵一口
私は口に運んだ。
やっぱりおいしい…。
おだしの加減がちょうど良くて
しっとりして大好きな味。
複雑な気持ちの中でも
美味しく感じてしまうから不思議だ。
モヤモヤが調和していきそう…。
同じく運ばれてきた
ノンアルコールチューハイを飲んで
一つ軽く息を吐いて
私は満君を見て口を開いた。
「…経理部長独断の人事だったのは
ちゃんとわかってる。
決まった人事に意見出来ない事も
ちゃんとわかってる。」
「……うん。」
「…公私混同してはいけない事も
ちゃんとわかってる。
満君は優しいから
例え元彼女でも
仕事上は公平に接していたんだと
思わないといけない事も
ちゃんとわかってる。」
「……うん。」
「…私は彼女だから
彼氏である満君に
『信じて。』と言われたら
信じなきゃいけない事も
ちゃんとわかってる。」
「……うん。確かに言ったな。」
「…だけど、私は正直
満君が元彼女と同じ職場で
仕事している事は
不安で仕方なかったんだよ。」
私は本音を口に出した。