生徒会長は魔法使い!?


「見、みて!!!」


みなみは窓の外を見て叫んだ。


向こうから、怪獣のような、
ただ固形ではない、水の塊のような
ものが何十メートルもの人の形になり、
そのヒトはビルや建物を壊していく。



「あれ、大丈夫なんですか!
なんなんですか!」

佐野が叫ぶ。


「あれがポルターガイラーのリーダー格、レベル4ね」


「満月の夜にやってくる悪魔…」


遼が呟く。



ヒトの形をした水の塊はずんずん
と足をこちらに向けて進める。

足跡が何メートルもの円になり、下敷きになったアパートは踏み潰された段ボールのようだ。

「こっちに向かってきてます!
どうするんですか!」

ヒトは無数の小さな悪魔を口から吐き出した。

それらの悪魔はポルターガイラーである。みなみ達が退治した悪魔をまた集めたのだろう。


「あ!学園に悪魔達が侵入してきてます、このままでは取り付かれます!」


佐野がまた言う。

「真木と安藤先生でポルターガイラーを仕留めてください。みなみと遼と俺はヒトに対抗する。
佐野はポルターガイラーの位置情報を確認次第俺たちに伝えてくれ。」

高尾が一気に指示を出した。

「はい!」


「みなみ、行くぞ!」


「うん!」

私達は校庭に出てヒトに向かい走る。


何十メートルもの水の塊。
物理的な攻撃をしても、水であるから跳ね返される。ヒトの形をしたそれは、
両腕を使ってビルや建物を横殴りに倒していく。


「大丈夫なの!?一般人が中に…」

高尾が走りながら答える。


「ここはパラレルワールド、
つまり異世界だ。見た目はいつもの街だが、ここの街には誰も住んでいない。
時間は止まっている。悪魔…
そのヒトによって生み出された異空間なんだよ!」

遼「じゃあ、一般人に被害はないんですね」



高尾「でも、ヒトがこの空間を抜け出して現実の空間に侵入し現実の街を破壊し始めるかもしれない!現実と異空間の結界はこの学園が張っている。
学園から半径5㎞以内にあいつを
とどめなければ、世界が崩壊する!」


みなみはヒトの足元に着くと、
杖を振った。

「消えよ、悪魔達!」












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