A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 そうなる前に、美樹の意識を戻さなくては。
 歯を食いしばりながら、何とか美樹に近付こうとする。
 だが、おトキさんはふっと笑って。


「この暴君ぶり、母上にそっくりじゃ」
「美樹の・・・母親?」


 確か、凄いパワーの持ち主だったとか。


「あのお方は幼少の頃、この場所が好きでな。よく川で泳いだり、木登りをして遊んでおった」
「だって・・・美樹の母親ってアヤカシだろ!?」
「だから、じゃよ。この場所は、アヤカシともお前が生きる世界とも違う・・・自然に出来た結界そのもの。その中に入れば、美樹の母親とて、普通の人間のように森の中で遊べるんじゃよ」


 彩にはそれが、分かるような気がした。
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