A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 彩自身、小さな頃は悠や諒としか遊べなかった。
 この能力を持っていたせいで。
 だがここに来て、何故か落ち着けると思ったのは・・・何もない、普通に生活出来ると思ったからだ。
 昼間の散歩で、彩は初めて、自分の腕力だけで木登りに挑戦した。
 だが、思ったよりもそれは大変で。
 跳躍すれば、一気にてっぺんまで登れるのに。
 大変な事が、何だか嬉しかった。


「まぁ、あのお方はお前と違って、わしが呼びに行かなくても勝手に行き来出来たがな。そんな人間らしいところが、昔からあったんじゃ」


 だから、美樹の母親は人間と恋をした。
 彩にはそれが、心の底から納得出来た。
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