A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
 空を羽ばたく鳥は、その羽をいらないとは思わない。
 だけど、その羽にもし、刃が付いていたら?
 自分じゃない誰かを傷付ける。
 もしかしたら、自分も傷付くかも知れない。
 そんな羽ならいらないと思うけど。
 これは、持って生まれたものなのだ。


「小娘、何を呆けている。従者ならしっかりと美樹を守らんか」


 小娘でも従者でもない、と、彩は今度こそツッコミを入れてやろうと思ったが。


「美樹!」


 アヤカシの気配。
 力のない彩が、こんなにもはっきりと感じる。
 彩は焦る。


「トキ婆!」


 どうしたらいいのか分からずに、半ば叫ぶように彩はおトキさんを呼んだ。
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