A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「確かに・・・最初に会った時よりはみんなの能力とかアヤカシの事、理解出来てる。ううん、理解してると思ってた・・・だけど」


 深いため息と共に。


「わたし・・・何も分かってなかった」


 美樹の言葉を聞いて、諒は持っていたカップをカウンターに置いた。


「分かってないのは、美樹自身の事だろ」


 そう言われて、美樹は諒に視線を戻す。
 諒は笑みを浮かべて、カウンターの中の美樹を見上げていた。


「お前はあの時から比べたら、俺達の事は理解してる。だけど、自分自身の事はまだ深く考えてなかっただろ?」


 決して、責めている口調ではない。
 どちらかと言うと近寄りがたい、少し冷たい雰囲気を漂わせている諒だが、本当はそうじゃない事も、美樹は知っている。
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