A-YA-KA-SHI☆バスター!!【Ⅱ】
「お前が望むなら、お前の力を削り取る事も出来る」


 ドキンと、心臓が一際大きく脈打った。
 彩は胸を押さえて、荒く呼吸をする。
 刃のついた羽ならいらない。
 自分が傷付くから。
 羽が無ければ、もう、傷付く事はないのだ。


「お前が望むなら、今までの悲しい記憶も消し去ろう。これからは普通の人間として、自然の摂理に従い生きるがいい」


 この、目の前にいるアヤカシは。
 こんなにまで傷付いた自分を、救ってくれようとしているのだろうか。
 もしかして、敵ではないのか。
 その証拠に、アヤカシから感じるのは殺気ではなく、深い深い哀れみに満ち溢れた気配。
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