絶対日記『REWRITE』
「私は、2年前……つまり、高1のとき、彼氏に薦められて日記を始めた。その日記帳が……これ」

と、日記帳を手に取り、誠に見せた。昨日、誠が没収した日記だ。

「そのとき、私がやったのと同じ方法で彼氏に日記の秘密を聞いた。どうして彼氏がこの日記を知ってたかは、知らない」

「……」

「私たちは、ただただ幸せに日記を書いてた。欲も、無かった。日記の力でちょこっとイタズラして、楽しんで……ただ、平凡で、毎日が幸せだった。……でも、忘れもしない。今から1年半前、事件は起きた」

「事件って?」

「彼氏の日記帳に、一枚の紙切れが挟まってた」

「え?」

誠はその言葉を聞いた瞬間、ドキッとした。

「内容は、『3日以内に私を倒せなかったら、死ぬ』」

全身に鳥肌が上るのを感じた。

「俺と…一緒や……」

「そう。私たちは、これがイタズラだとは思わなかった。ずっと家に置いてあった日記帳に、紙切れを挟む事なんて、できない」

「どうやって、挟んだんや?」

「多分、日記の力で」

「え?日記の力で?どうやるんや?」

「日記に、『○○の日記帳に、紙切れが挟まった』とでも書けば、なんとでもなるよ」

「あ……」

「私たちはそいつを『スリー』と名づけて、必死にスリーを探した」

「スリー?」

「3日で、殺される。だから、スリー。名前もわからない以上、呼び名が無かったら会話しにくいじゃない。だから、適当につけた名前」

「そっか」
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