絶対日記『REWRITE』
「なんで?だって…」

「つまり、こういう事。私は、確かに記憶は消えた。これで、誠君の日記は効果を果たした。でも消えてから、私の日記帳は記憶を戻した」

「え?なんで、優先順位が俺の日記からなん?」

「スリーは、私の日記帳に『消えた記憶が戻る』って書いたの」

「あ」

「消えてから戻ったんだから、その書き方だと必然、誠君の日記が先に行動を起こしてしまう」

「やるなぁ……」

「そんな、呑気な声出してる場合じゃないよ」

「うん……」

再び、疑問が湧きあがる誠。

「あ、じゃあ、日記に同じ事書いたら、どっちが優先されるん?」

「え?」

「つまり……A君が、『B君が死ぬ』って書いて、B君は『B君は死なない』って書いたら」

「わからない」

「そっか……」

誠は、頭が痛くなってきた。日記は、使い方が幅広過ぎる……

「誠君、一つ、アドバイスがあるの」

「何?」

「日記には、できないことがあるの」

「え?」

「人を殺す事はできる。でも、生かしたり生き返ったり、そういう事だけはできない」

「そうなん?」

「だから、『永遠に死なない』とか書いて、スリーを凌ごうとしても無駄だよ。それだけは、覚えといて」

「わかった」

「もう一つ。わかってるとは思うけど、日記を知る人同士なら、どんな会話しても大丈夫だから」
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