イジワル同期の恋の手ほどき

「大丈夫だから、何も心配しないで」


ああ、やっぱり宇佐原だ。
隠し事なんてできないし、何も言わなくても私のことをちゃんとわかってくれている。
そう思うと、不安も怖れもすーっと消えていった。




それから後のことは、なんだか夢うつつで、まだ現実感がない。

宇佐原はどこまでも優しく、ゆっくりと私のペースに合わせてくれた。

赤面するような甘い台詞もたくさんささやかれたけれど、肌に触れる熱い手や、力強く抱きしめる腕や、やわらかい唇から、言葉以上に、宇佐原の気持ちが、ダイレクトに伝わってきた。




そして、やっと気づいた。

こんなにも、宇佐原のことが好きになっていたという事実に。


宇佐原のすべてが愛おしい。
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