滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
辛いことも苦しいこともあったけど、
私はそれなりに幸せだった。
時には甘えさせてくれたり仕事を頑張ると褒めてもくれた。
私には勿体無いぐらいな人で。
「結局なんだかんだで浮気されて捨てられるのは、自分に魅力がないからなんだよね…」
浮気相手の子は仕事も立ち振る舞いも私以上に上手で、
彼とも楽しそうに話してる光景を幾たび目撃してた。
彼は私と話すよりも嬉しそうな表情を浮かべながら。
「…そんなに魅力ないかな?奈緒子さん」
「え?」
私の話を黙って聞いていた彼がポツリと呟く。
「彼の目も節穴だなぁ。こんないい彼女捨てるなんて、信じらんねー」