滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
しかし、その時ふと考えた。
そして女の直感働き私はハッと我に返った。
ーーもしかして…、これって俗にいうナンパじゃないの!?
まだ話して数分しか経ってないのに、
魅力的だよとか可愛いとか、普通だったらそんなこと言わないでしょ!!
明らかに怪しすぎるっっ!!
「わ、私、そろそろ行くから!」
まだ半分以上もハンバーガーを残したまま私は慌てて席を立った。
あまりにも突然の行動に彼も驚きながら、私を見上げる。
「ちょちょ、いきなりどしたの?」
「別に!まだ回りたいとこあるし、明日帰国だからこんな所で油売ってるヒマないのっ」
私をあの時助けてくれた時点できっと狙われてたんだ。
周りには外人しかいないのに、
たまたま偶然日本人の私がいたから、きっと滑降のターゲットになったに違いない!