滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
あの衝撃的な再会に戸惑い、結局一日仕事が全くはかどらなかった。
初日は引き継ぎやなんやらで彼も忙しかったみたいでデスクに殆どいなくて、
会話は殆ど無かったけど。
何がどうなって彼が私の上司になったのか。
はたまたどうして開発部にやってきたのか。
あまりにも謎が謎をよんで、
ずっと彼のことばかり考えてしまっていた。
それに財布の事だって気になる。
彼は当時知らないの一点張りだったのに、
何食わぬ顔で私に返してきた。
疑うわけじゃないけど、
念のために一応中身を確認したけどあの時と全く変わっていなかった。
どうして見つけてくれた事を隠していたんだろう。