滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬

優しく微笑んで話す俊介は相変わらずかっこよくて、

別れた今でもこうやって私の胸をキュンキュンさせてくる。




もう私の恋人じゃないとわかっていても、

甘えて頼って助けを求めてしまいそうだ。






「ありがとう」


えへへとにやけながら笑うと、
じゃまた明日と言い残しこの場を去って行く。




そして再び私だけポツンとオフィスに取り残された。




しかし心の奥がポカポカと暖かくて、何だが心地いい。



そして俄然とヤル気が一気に湧き出てきた。




「よしっ!頑張るぞっ!」


止めていた手を再びキーボードに戻して仕事を再開した私。




俊介とたった数分の会話が私の背中を後押ししてくれたような気がして。



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