滴る雫は甘くてほろ苦い媚薬
そっか…とか何だが考え深げに話す俊介。
もしかして彼との関係が気になる…とか?
「財布まだ使ってくれてたんだな、何か嬉しい」
恥ずかしそうに若干はにかんだその横顔を見るなり、
私まで何だが恥ずかしくなってしまった。
ーーなんでそんな顔するの…?
ドキドキしちゃうじゃない。
ずるいよ。
広いオフィスに二人だけの時間が流れる。
それはまるで人目を気にしながら無理して時間を作っていた、恋人だった頃のような雰囲気だ。
「じゃ…、俺帰るわ」
「うん」
俊介は寄りかかっていた机から離れ、
再び私を見下ろす。
私も椅子を回転させて全身を俊介に向ける。
「これからは同じチームだから、何かあったら俺に頼れよな?」