花と緋色
両親の遺品は燃やして葬った。
だから、両親の面影は写真くらいだ。
兄は現在、遠くへ出稼ぎに行っている。
姉はふらりと家を出ては気紛れにシエリアの元に現れる。

ほとんどを一人で過ごすことが多く、心細いとは思うが、体が沈むほどに柔らかいベッドで眠っていれば幸せだと感じていた。
それに、両親からもらった人形や兄からもらったリボンの髪留めがある。
姉からは洋服を買ってもらった。
家族から愛されていると自覚している。
だから、自分の境遇もこの生活も不満を感じない。
両親の一件があり、この街の警備も強くなった。
安全面でも不安はない。
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