花と緋色
「風読みならば、風の動きが分かる。その動きから辿れば見つかるやも知れん。……サイレーンが再び来るとするなら、な。」
「“風読みのフォルクハルト”か。この街唯一の風読みの力を持つ者。」
シャルドネはヴォルフラムの意見を受け入れ、ペンを執った。
スラスラと文字を書くと、其れを渡す。
「これを渡しておけ。」
「何だ?」
ヴォルフラムは怪訝そうだ。
「納税の免除、だ。奴は滞納していてな。それを免除してやる代わりに風の動きを読み、知らせよということだ。」
「……ちなみに、何ヶ月だ?」
「三年だ。」
「……」
呆れて言葉も出ない。
< 26 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop