花と緋色
シャルドネからの手紙を持ってフォルクハルトが経営している“風読み屋”へ向かった。
“トントン”
ヴォルフラムが扉を叩く。
「はい。」
中から和服の中性的な人が出てきた。
「どうぞ、こちらへ。」
その者は椅子の方へ案内する。
中性的なサイレーンとはまた違う雰囲気だ。
女性的でいて、声音は固く男性的な印象を持つ。
「わたくし、フォルクハルトと申します。貴殿はどのようなご用件で風の動きを知るのでしょうか。」
落ち着いた話し方から女性だと確信した。
「サイレーン、って知ってる?」
「はい。」
「そのひとを見つけたいの。」
「……つまり、風が止まった場所を知らせて欲しいということですね。」
「うん!」
シエリアは明るく笑った。
「そして、役人から手紙だ。」
「ひぃ!」
フォルクハルトの表情が固くなった。
「うぅ……」
恐る恐る、封を開け、中を見た。
「……わかりました。お任せ下さい。」
「ありがとうございます!!」
シエリアは丁寧にお辞儀した。
「では。」
「あぁ。もう用はない。」
ヴォルフラムは“帰るぞ”と言って去った。
「何かありましたら報告しますね。」
そう言うと、フォルクハルトは屋上に続く階段を登った。
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