花と緋色
外に出ると、ハロウィンの仮装をした人形に夢中になっているクラウジアが居た。
「愛らしい……!」
表情は相変わらず、微々たる変化だったが、声音は明るい。
そんなクラウジアを微笑ましげに見ているヴォルフラムの表情も和らいでいる。
(ここに連れてきて正解だったね。)
シエリアはくすっと笑った。
先程の涙などどこかへ行ったようだ。
「クララー!」
「!!」
クラウジアはハッとしてシエリアを見た。
「……何だ。」
見られていたのが恥ずかしかったのか耳まで真っ赤だ。
「街も、わるくないでしょ?」
「……そうだな。」
“何より、旦那もいるし。”とはにかんで答える。
「たまには、良いな。」
ヴォルフラムは微笑んだ。
「あ!いつも、二人のおうちに遊びに来てるから、今度は私のおうちに来ない?そりゃ……あまり豪華じゃないけれど。」
「構わん。興味ある。」
シエリアにヴォルフラムが答えるとクラウジアが頷いた。
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