花と緋色
「私の願いは、叶っているもん。」
「嘘だ。」
ルシエルは嘲笑した。
「本当だよ。」
シエリアは笑う。
「両親を失い、兄は出稼ぎに、姉はふらりと出掛け……孤独だったのでしょ?ずっと、誰かに傍にいて欲しかったのでしょう?」
「そうだね。」
「……その者達が傍に居てくれるというの?でも、いずれ、独りになる。我等が殺すから。」
「そうはさせないよ。」
静かに否定した。
「死ぬのも、一人も、もういいの。大事なものがあるから守る。今はそれがいい。」
そう言うとルシエルを見据えた。
どこか諦めたような声にクラリスは複雑そうだ。
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