花と緋色
「シエン、怪我は無いか?」
「だいじょーぶ!」
クラリスが問うとシエリアは笑った。
「気を取り直して、調べよっか。」
あまりにも笑顔でそう言うので、三人とも一瞬だけ言葉を失った。
「そうだな。」
ヴォルフラムが応える。
「えーっと、まずはどのへんからかなー……」
“どちゃっ”
「……」
何もないところで転んだシエリアに呆れた視線が集まる。
「うーっ……」
額を強打したのか、額を押さえて立ち上がる。
運が悪かったのか、椅子の角にぶつけたようで、僅かに血が滲む。
「……」
ヴォルフラムはシエリアを睨む。
「血の匂いを撒くな。」
そう言うと、ハンカチを投げ渡した。
「お腹空いてるのか?」
「煩い。」
クラウジアにヴォルフラムはそっぽを向いた。
「俺は貴様と違い、加減が出来ない。余り煽るな。」
「知ってる。」
クスクスと笑いながら、クラウジアは天井を見た。
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