花と緋色
歯が立たない現状に焦る。
(体術勝負となると、この武器では不利だ。何か、無いだろうか。)
辺りを見回すと、椅子が視界に入った。
(……一か八か。)
椅子をサイレーンに投げる。
「この程度……!!」
そして、サイレーンの避けた動きを読んで、先回りする。
「ほう?」
サイレーンは音を消すと、フォルクハルトの腕を掴み、叩きつける。
“残念だったな”という言葉が口の動きで分かった。
(腕力さえも上か。術師とはいえ、人間では、やはり。)
悔しさで唇を噛み締めた。
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