赤い流れ星
「ひかり!
……あの…さっきは…」

「シュウ…わ、私こそごめん。
あのね…別にいやだったわけじゃないの。
ただ、びっくりして……」

話してると、また涙がこぼれて来て、声が詰まって言葉が途切れた。



「……わかってるよ。」

シュウはそう言って、私をそっと抱き締めてくれた。
温かい。
私は、何度、この胸で泣いただろう。
安心できる逞しい胸……



「……で、なんでそんな格好してんの?」

「……え?
あ…えっと、これは……」

シュウは、笑いを堪えて肩を揺らす。



なによ。
気にしてるかもって思ってすぐに謝りに来たのに、思った程気にしてないじゃない!

そういえば、シュウはプレイボーイっていう設定にしてたんだ。
だけど、今までのつきあいはほとんどが遊びで、ひかりに対して初めて本気になった……みたいな。
シュウの昔話についてはまだほとんど書いてはなかったけど。
ま、プレイボーイでなくても27ともなれば、あんなこと、別に気にしないよね。
私が晩熟過ぎるんだ……



「……でも、安心した。
いやじゃなかったって聞いて。」

「え?……あぁ……」

「じゃあ…またあんなことして良い!?」

「だ、だめっ!」

私は咄嗟にシュウの胸を突き飛ばした。



「冗談だって。」

シュウはくすくすと笑ってる。



あぁ、またからかわれた!
……私は、がっくりと肩を落とし、その場に座りこんだ。
< 122 / 171 >

この作品をシェア

pagetop