赤い流れ星
(そうだ…信じなきゃ…!
シュウはきっと迎えに来てくれる…
……だから、大丈夫!)

私は、涙を拭い、大きく深呼吸した。
そして、シュウに言われた通り、百均で買ったコーラ味の飴を一粒口に含んだ。



「甘いものは元気が出るから。」

シュウの言葉を思い出し、これは元気が出る魔法の飴なんだってイメージしながらゆっくりと口の中で転がした。



それにしても、私って、なんて弱いんだろう……
こんな所で迷っただけで、子供みたいに泣き出して……
冷静に考えてみればきっと方法はいくらでもある。
たとえば、さっきの林を戻れば、民家のある地域に着く。
そこで道を聞くなりなんなりすれば、すぐにでも帰れるはずだ。
町まで戻って、バスに乗って帰るってことも出来る。
……でも、私にはあの林にまた入る勇気がない。
あの場所が怖いって思った後だから、さっきよりもさらに怖い場所になっている。
それに、今からだと暗くなる一方だから、暗さが怖さを倍増させると思う。
でも、もしかしたらあの道を通らなくても、探せば他の道がのかもしれないよ。
あ…そういえば、ハイヤーを呼ぶことも出来たんだ。
でも、電話番号は家の電話帳と私の携帯にしか入ってないからわからない。
いやいや、そんなことは番号案内で聞くとかネットで調べれば良いんだ。



そうだ…ゆっくりと考えてみれば、家に帰る方法なんていくらでもあったんだ。
遠いったって海外に行ったわけでも県外に行ったわけでもない。
地図で言ったらほんの1mmにも満たない所で、私は大袈裟に騒いでただけなのかもしれない。



そう考えると、今度は激しい自己嫌悪に陥ってしまった。
今頃、シュウは心配して必死になって私の所に来てくれてる筈。



ちょっと驚かせたかっただけ…
ちょっと誉められたかっただけ…
ただそれだけのはずだったのに、シュウには迷惑をかけてしまった。
心配させてしまった。



(もう、やだ……)



そんな自分が情けなくて、哀しくて、心の中がどうしようもない気持ちで一杯になって、やっと止まってた涙がまたぽろりと零れ落ちた。
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