君さえいれば
「今も?今も彼女いないの?」




「バカ!いたら美月を抱いたりしねえし、会いに来ない。他のやつを好きになろうとしたけど無理だった。お前と過ごした3年間を超えることも忘れることも出来なかったよ」




「・・・あたしも、あたしもだよ。でも、律夏を助けられてよかったから後悔はしてない。ごめんね、隼汰」




「バカ美月。本当、お前は俺を夢中にさせる天才。あの日、ボタンを交換したあの日からずっとお前しかいなかった。美月さえいれば俺の高校生活はいいって思えるくらい」




バカ隼汰。そんなのズルい、ズルい。



恥ずかしくなってでもやっぱりとんでもなく愛おしくて彼の胸にひっついて目を閉じるとなんだかすごく安心できて気がつくとあたしは眠っていたんだ。



だから優しく頭を撫でながら隼汰がこんなこと言ってたなんて知らない。




「バカ美月。肝心なことまだ言ってねえのに。でも、やっとやっと捕まえた。俺の美月」
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