ふたりのガーディアン
休憩時間になると、蒼甫君、瀬名君、さっちゃんが私の席のそばに集まって来た。


「優月ちゃん、大丈夫?」


さっちゃんが心配そうに私の顔を覗き込む。


「まさか当選するなんてな」


「別に目立ってなかったのにな」


蒼甫君も瀬名君も首を傾げている。


「ちょっとそこっ。何しんみりしてんのよっ」


ピンと張りのある、この声の主は…。


「優月ちゃんが可愛いから、男子の票が集まったってだけのことよ」


静華ちゃんだ。


「仕方ないわよ。他の女子の候補者見たでしょ?ダサくて見られたモンじゃなかったわ」


「お前、言い過ぎだろ」


呆れた顔をする蒼甫君。


「今さらもう何言ってもしょうがないわよ。優月ちゃん、こうなったらやるしかないわよ。ねっ?」


た、確かに…。


静華ちゃんの言う通りだ。


断るなんて出来ないわけだし、もう腹を決めるしかない。


「うちのクラスから生徒会に当選したんだから、お祝いするべきでしょ?
いつまでもしんみりしてんじゃないわよ」


静華ちゃんて、なんて言うか男前だな。


「ありがとう。私、頑張るね」


そんな私を見ながら、蒼甫君と瀬名君、さっちゃんは複雑そうな顔をしていた。
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