ふたりのガーディアン
みんなが受験ムードでピリピリの中、温度差が明らかに違う瀬名君と私は、一緒に過ごすことが自然に増えていった。


それもそのはず。


青雲の進学率は、毎年ほぼ100%に近かったから…。


私は宙ぶらりんの状態なので、担任の先生にたびたび呼び出されていた。


とりあえず受験しておけと、短大の願書まで準備されてしまう始末で。


仕方なく願書を郵送した。


しかも国文科。


私は国語の成績が5教科の中で一番良くて。


ただ、それだけの理由だった。


みんなはどうやって行きたい学部を決めているのだろう。


スイスイと希望校を決めるみんなを見ていて、私はなんだか不思議だった。


私ってもしかしたら、ちょっと変わっているのかもしれない。


よく洋平君には言われるけど。


今頃気付いたって感じかな…。
< 832 / 932 >

この作品をシェア

pagetop