渇望男の潤いペット
「でも警察っていうのは最悪にならないための最善を尽くすのが仕事です。何か気付いたこととかありませんか?」

「…」

俺はまた写真を見つめた


―今が1番幸せ―


彼女の声が聞こえる


「すみませんが…こういう女の子はちょっと…」

「わかりました、ありがとうございました」

二人は頭を下げて去っていった

俺はタバコを消して、のんびり車に歩いていくフリをした

ゆっくり扉を閉めると、彼女はまだ助手席に戻っていなかった

「車出すからつかまってろよ」

「え?」

後部座席より後ろから声がする

「警察が嗅ぎ回ってる…」

「警察?」

俺はゆっくり駐車場から車を出して立ち去った

慌てるな!慌てるな!

俺は何度もバックミラーで後ろを確認する

ミラーの端っこで、怯えた顔の彼女が見える

「大丈夫!つけられてないから」

「でも…」

「大丈夫!帰さないから」

「…」

何か言いたげだったけど、彼女は口を閉ざす

俺はスピードをあげて車を走らせた





捕まるわけにはいかない―



離れたくない
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